進化するダンドゥットで踊ろう~インドネシアのEDM歌謡が熱い
(UPDATE )
ダンドゥットはインドネシアの大衆歌謡
インドネシアの独自の音楽ジャンルに「ダンドゥット」というものがあります。
1960年代に、ビートルズなどの洋楽ロックがインドネシアでも人気を集める中、それらに影響を受けながらインドネシア独自の新しい音楽を創ろうとした歌手、ロマ・イラマ(Rhoma Irama)によって、1970年代にダンドゥットのスタイルが生み出されました。
マレーシア歌謡や、インド、アラブなどの様々な音楽に、ロックの要素を融合させ、竹笛やグンダン(太鼓)などの伝統楽器とエレキギターや電子キーボードが共存したバンド演奏が基本スタイル。
「ダンドゥット」とは、打楽器のリズムを表した擬音が語源とのこと。
社会派ロッカー的なロマ・イラマのキャラクターも相まって、若者を中心に大きな支持を得て、発展していきました。
参考:Rhoma Irama – Begadang(YouTube)
1980年代以降、様々な人気歌手が登場し、大衆向けのダンス歌謡として一般化したダンドゥットは、様々なジャンルを取り込みながら、時代とともによりポップに、進化・多様化していきます。
反体制的なロック性が失われていったことには賛否あるようですが、なんでも取り込んでしまう雑食性こそが面白さ!
というわけで本題です。
ダンス歌謡として人気を集めてきたダンドゥットですから、時代とともに「ダンス・ミュージック」としての機能もアップデートされていくのは必然!
ハウス、テクノを取り込み、ついにはEDM歌謡と化した最新型のダンドゥットを楽しもう!というのが今回のテーマです。
ちなみにインドネシアのダンス・ミュージックといえば、日本でも一躍有名になった「ファンコット(Funkot)」がありますが、ファンコットも元はといえばダンドゥットの高速化Remixがルーツという説があり…実際聴いてみると通じる部分に気付くはず。
ファンコット好きの方も是非、お試し下さいませ♪
アヒル踊りが人気!Zaskia
1990年生まれの女性ダンドゥット歌手Zaskia(ザスキア)。
Zaskia Shintaが一応正式なアーティスト名義のようですが、最近はアルバムタイトルに合わせてか、Zaskia Gotikと名乗ってます。
特徴的な声と大きな目が魅力的ですが、トレードマークは「Goyang Itik(=アヒル踊り)」と呼ばれる独特のダンスで…どういうものかは動画を観てもらえばわかるかと思います(*´∀`*)
2007年から活動しており、ハウス的なダンドゥットを歌っていましたが、2012年にNAGASWARAから本格デビュー。
小学生の娘にダブステップを歌わせたりすることでも有名なDJ Roy.Bらが音楽面で関わるようになり、一気にエレクトロ・ダンドゥットへと向かっていきます。
ダンス・ミュージックにはセクシー要素も欠かせませんが、インドネシアはイスラム中心の国なので肌の露出には厳しい…というわけでボディライン勝負に向かうのでしょうか。
とにかく迫力が…素敵です(*´∀`*)
2014年の大ヒット歌手!Cita Citata
1994年生まれ、バンドン出身のCita Citata(チタ・チタタ)。
もともとはジャズを歌っていたそうですが、2014年にダンドゥット歌手としてデビューし、3曲目のシングル「Sakitnya Tuh di Sini」が大ヒット。
「Diam-Diam Suka」というドラマに使われて爆発的に売れたようです。
むちむち妖艶セクシーな最近のザスキア様に対して、チタチタタちゃん(←言いにくい)はスレンダーで可愛いお姉さんって感じ。
インドネシアのAyu!?Ayu Ting Ting
というわけで、アユです。
1992年生まれ、デポック出身のAyu Ting Ting(アユ・ティン・ティン)。
2006年に活動をスタート。
正統派ダンドゥットから、バッキバキのエレクトロまでいろいろ歌ってます。
サウンド面では最新流行を押さえながら、ボーカルはあくまで伝統的スタイルでしっかり聴かせる安定感。
グラマラス姉ちゃん系のビジュアルもキャラに合ってますね。
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というわけで、ダンドゥットの最新型は「E DUT」だッ!ということにいたしましょう。
ダンドゥットの良いところは、どうやってもおカタくならないというか、何かと学問的・文化的視点で真面目に語られがちなワールドミュージックの中で、結局エモさとエロさとチャラさと踊れるリズムがあれば楽しい!みたいなノリで時代の波に乗って生き続けているところではないでしょうか。
個人的にはダンスホール・レゲエとか、ブラジルのファンキとかにも通じる、やんちゃ系おもしろ音楽ならではの勢いを感じます。
ダンドゥットは今回特集したエレクトロ系の他にも、伝統的なバンド演奏スタイルのダンドゥット・コプロや、地域ごとに特色あるスタイルのものなど、まだまだ面白いものが沢山ありますので、機会があればまた。
Goyang itik, Joss!!