Fancam(ファンカム)とは!?K-POPにおけるその意味と役割

(UPDATE )

現在のK-POPアイドルシーンを楽しむ上で欠かせないキーワード「Fancam(ファンカム)」。
ひとことで言うと「ファンが自分のカメラで撮影した動画」のことであり、普段なかなか韓国にライブやイベントを観に行けない日本や諸外国のK-POPファンにとってはとてもありがたいものです。

海外では有名アーティストのコンサートでも最近は撮影可能になっているものが多い、という話はよく聞かれますが、今YouTubeで「fancam」を検索してみると、出てくるのはほとんどがK-POP関連。なぜここまでK-POPの世界でFancam文化が広まったのか、それには様々な経緯と理由があります。

というわけで、「Fancamとは」で検索して当サイトのセクシーダンス記事に辿り着いてしまう方が多いようですので…あらためてこちらでFancamについてまとめておきましょう。

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Fancamの意味

FanCamera(ファンカメラ)略してFanCam(ファンカム)。
元々は英語のスラングで、セレブの映像をファンが撮影したもの、スポーツの試合を観客席から撮影したものなどがFancamと呼ばれていたようです。

スマートフォンの普及により、誰でも手軽に動画撮影が可能になったこと、また、YouTubeの登場(2005年)と各種SNSの普及により、撮影した動画を簡単に共有することができるようになったことで、Fancamは広がっていきます。
またライブコンサートが撮影可能になることで、アーティストのステージを観客が撮影したFancamが増えていきました。

직캠(チッケム)の登場

こうした時代を背景に、韓国では2010年頃から、主にアイドルのステージをファンが自分のカメラで撮影した動画がネット上に多くアップされるようになり、それらは「직캠(チッケム/ジクケム)」と呼ばれました。

직캠(チッケム)は직접(チクジョプ=直接)캠코더(ケムコーダ/Camcoder=ビデオカメラ)の略で「ファンが現場で直接撮った動画」的な意味。

関連用語として「직찍(チッチク)」という言葉もあり、こちらは직접(チクジョプ=直接) 찍다(チクダ=撮った)の略語で「ファンが現場で直接撮った写真」のこと。

歌って踊るアイドルグループが人気の韓国ならではの직캠(チッケム)の特徴として、特定のメンバーにフォーカスした動画の存在があります。
1曲の間ずっと一人のお気に入りメンバーを追いかけて撮影する、言わば「推しカメラ」で、最大のポイントは、全身が映るように縦画面で撮られたものが多いこと!そしてそれは、スマートフォンで再生する際にも好都合なのでした!素晴らしい!大発明!

また、YouTubeにアップされる직캠(チッケム)は、世界中の人が観ることが出来るため、海外進出に力を入れているK-POPにとっても大きな意味のあるものです。
そこで、海外の人にも見てもらえるように、よりわかりやすい英語の「Fancam」をタイトルに付けて公開されることも増えていきました。

ちなみにFancamを直接韓国語読みすると「팬캠(ペンケム)」になります。

Fancamをきっかけに大ブレイクしたEXIDのチャート逆走現象

こうして韓国アイドル好きの間で広まっていった직캠(チッケム)Fancamが、一般層にまで大きく知られるきっかけとなった出来事が2014年に起こります。

当時デビュー2年半を過ぎて、一度も大きなヒットには恵まれていなかったガールズグループEXIDの10月8日の公演で撮影された、メンバー「ハニ」のFancamがネットで大きな話題となり、爆発的に拡散。
ハニが踊っていた曲「UP&DOWN(위아래)」はEXIDが同年8月にリリースしたシングル曲で、当初はトップ50位にも入らず、放送活動も既に終了していましたが、それをきっかけにヒットチャートに再浮上!そのまま上昇を続け、翌月にはついに1位を獲ってしまうのです。

hani

IMAGE:©pharkil / YouTube

[직캠/Fancam] 141008 EXID(하니) 위아래 @ 파주 한마음 위문공연 – YouTube
こちらがその動画。圧倒的美しさのハニさんがボディライン見せつけまくりの強烈なセクシーダンス…話題になるのも納得の映像です。撮影したのはハンドルネームpharkil氏。

この「チャート逆走」の勢いに乗ってEXIDは活動を再開し大ブレイク。その後もヒットを連発し、今やすっかり大物人気グループとなっていることはK-POPファンならご存知のはず。

これを機に、Fancamはプロモーション効果の面でも業界から大きな注目を集めることになりました。

特にデビュー間もない無名のグループなどにとっては、Fancamは少ないコストで大きなチャンスに繋がる可能性があるものとして、どんどん撮ってもらいましょう的な空気になったのは容易に想像できます。また、撮影する側にとっても、Fancamは再生回数を大きく稼げるものとなり…、結果的に両者がWin-Winの関係となったことで、Fancamはさらに多数のグループの現場で撮影され、公開されるようになったと考えられます。

GFRIENDの「雨の中の闘魂」が世界から注目を集める

2015年には、世界中のニュースでも取り上げられたほど話題になったFancamが登場します。

9月5日、SBSラジオでのガールズグループGFRIEND(여자친구/ヨジャチング)のステージを撮影したもので、雨で足場の悪くなったステージで何度も転びながらも最後まで笑顔でパフォーマンスを続けた姿が、「雨の中の闘魂」と呼ばれ話題に。
海外でもバイラルメディアや大手ニュースサイトで記事になるほどの注目を集めました。

gfriend

IMAGE:©smile -wA- / YouTube

150905 여자친구(GFRIEND) – 오늘부터 우리는 (Me gustas tu) @인제 SBS 라디오 공개방송 직캠/Fancam by -wA- – YouTube
動画はこちらから。主役はユジュです。よく頑張った。撮影者はハンドルネームsmile -wA-氏。

動画で歌われていたGFRIENDの「今日から私たちは(오늘부터 우리는 Me gustas tu) 」も、これをきっかけにチャートを再浮上し、ロングヒットを記録。グループの「パワー清純」コンセプトも広く知られることとなり、2016年からの大躍進に繋がる要素の一つになったことは間違いありません。

EXIDやGFRIEND以外にも、セクシーダンスチームBAMBINOがFancamで有名になりオリジナル曲でデビューしてしまったり…、Fancamによる宣伝効果は様々なグループに多かれ少なかれ恩恵をもたらしているようです。

有名Fancam師のチャンネルをチェックしよう

誰でも気軽に動画撮影ができる時代になったことで広まったFancam、当然素人がスマホで撮っただけみたいなものも存在するのですが、人気を集めている最近のK-POPのFancamはどれも高画質で画面も安定したクオリティの高いものばかり。
撮影しているのは「직캠러(チッケムロー)」と呼ばれるFancam専門のカメラマンたち、言わば「Fancam師」です。

직캠러(チッケムロー)は직캠(チッケム)に「-er」をくっつけた言葉。日本でもマヨラーとかシノラー(古い)みたいに「ラー」を付けて「~の人」を表すあの感じです…多分。

Fancam師の多くはそれぞれ自身のYouTubeチャンネルにて動画を公開しています。というわけで、代表的なチャンネルをいくつかご紹介。

EXIDハニの動画で時代を変えたFancam界のレジェンド。BAMBINOウンソルの動画も有名。人気グループから謎のダンスチームまで幅広く撮影されています。セクシー系多め。
TWICEの充実ぶり!GFRIEND、OH MY GIRLなど旬な若手から、APINK、AOA、Girl’sDayなどの大物まで大量。おすすめです。
TWICE、RedVelvet、GFRIENDなど旬な人気どころをしっかり押さえてる感じ。ボーイズグループもいくつか。全体映像と個人フォーカス両方あります。
B級ガールズグループを中心にとにかく数が多いです。最近はDIAやLOVELYZなどが充実。セクシー系も多め。
GFRIENDで有名な…。その他ガールズグループ多数。グループ映像と個人フォーカスどっちもあります。BAMBINOとSIXBOMBでも有名。ボーイズグループもいくつか。
AOAで有名な…。他にもLABOUM、おまごるなど人気グループ多数。
ステージ全体映像が基本で人気グループ多数。IUなどのソロ歌手やボーイズグループも撮影されてます。
SIXBOMBで有名な…セクシー系中心でレースクイーンなども撮られてるようです。
RoseQueen、BMSなどダンスチーム系が大量に。B級ガールズグループも。ステージ全体映像も多いです。

今や公式版のFancamも!?

[MPD직캠] 트와이스 사나 직캠 Cheer Up TWICE SANA Fancam @엠카운트다운_160428

Fancamの価値が知られるようになり、最近ではテレビ局やアーティスト側が、公式のFancamやFocusCam(個人フォーカス映像)を撮って公開することも。
代表的なのが、Mnetの番組『M COUNTDOWN』のFancamです。貴重な番組収録時のステージやリハーサルをFancam風の映像で観ることができるのでおすすめです。

Mnet Official – YouTube

[MPD FANCAM] KPOP Idol Fancam – YouTube
アイドル系に特化したプレイリストです。

Popular Mnet Fancam (엠넷 화제의 직캠) – YouTube
こちらは1~2年前の人気Fancamを集めたプレイリスト。

MPD – YouTube
プロデューサーチャンネルにはステージの他、舞台裏などの映像も満載!

また、先日ニューアルバムをリリースしたDIA(다이아)の公式チャンネルでは、タイトル曲「On The Road」の個人フォーカス映像が公開されました。

DIA 다이아 – 그 길에서 (On the road) Special Video (CHAEYEON .Ver)

Fancamというよりミュージックビデオのスペシャル版といった感じですが、縦画面いっぱいに目の前でメンバーが歌っているかのような映像は…まさに至福!これは他のグループも真似して欲しいですね。

最後に…

以上、韓国におけるFancam文化にまつわるエトセトラをまとめてみました。
ファンによる私的な楽しみであったFancamが、時代とともに進化して今や流行を動かすほどの影響力を持つようになったというのは面白いですね。

日本でも福岡のローカルアイドルだった橋本環奈さんがライブ中に撮影された写真がきっかけでメジャーデビューしたのはよく知られていますが、それを受けて、撮影を許可するアイドル運営も最近は増えているようです。

日本でも個人フォーカスFancamが流行ればいいのに…。

日本でなかなかライブが撮影可能にならないのは、今なおDVD/Blu-rayによる音楽映像ソフト(DVD付きCDも含む)が大きな売上を上げていることも一因としてあるようです。だからミュージックビデオもYouTubeにアップされるのはショートバージョンだったり…。テレビの音楽番組はすぐに削除されたり…。CDやテレビと同じで、昔からの利権を守るために、新しい可能性に手を出せずにどんどん世界から遅れていってる感じがもったいないなと、個人的には思います。

(ただし、K-POPのFancamが海外でも受けたのは、セクシーな衣装やダンスが多いから、というのは一つの理由としてありそう……言葉の壁を越えてしまうので……。なので日本で同じようなFancam戦略ができるかと言ったら、それはまた別のアイデアが必要にはなりそうです)

最後に、Fancamはアーティストの姿を撮影したものである以上、肖像権はアーティスト側にあり、楽曲にも版権など様々な権利が存在しています(そして映像の著作権は撮影者に)。気軽にYouTubeで観れたり、SNSで拡散できたりするのは、あくまで権利者によってその価値が認められて許されているからこそ成り立っているということは、忘れてはなりません。

感謝の心を忘れず、楽しみましょう。

おまけ:직캠(チッケム)、직찍(チッチク)と合わせて知っておくと、韓国のネット検索がちょっと楽しくなる用語集

짤방(チャルバン)

ネット上にアップされている画像全般を意味する言葉。
韓国の巨大掲示板サイト「DCインサイド」発の言葉で、「짤림방지(チャルリムバンジ=削除防止)」の略。もともと写真の投稿掲示板としてスタートしたDCインサイドでは、画像を貼ってない書き込みは削除されていたことから、ただ単に書き込みをしたい人は、投稿と一緒にネットで拾ってきた「削除防止用画像」=「チャルバン」を貼るようになり、その意味が広がって一般化したもののようです。
さらに略して「짤(チャル)」とも呼ばれます。

움짤(ウムチャル)

「움직이는(ウムジギヌン=動く)짤방(チャルバン)」の略で、すなわち動く画像=アニメーションGIFのこと。Fancamの動画から「良い動きをしている部分」(意味深…)を切り出してウムチャル化したものもよくネットに上がっていますね。

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