【夏にぴったり】バイリ・ファンキだけじゃない!ブラジルの「歌ものファンキ」のすすめ

(UPDATE )

そもそもファンキとは!?

Sapão :: Vou Desafiar Você (Favela Mix)(2015)

ファンキ」とは、「Funk」のブラジル・ポルトガル語読みで、英語で言うと「ファンク」です。
すなわち「ブラジルのファンク・ミュージック」のことなのですが、音楽的にはアメリカのブラック・ミュージックのジャンルの「ファンク」とはかなり異なっており、1980年代以降にマイアミベースなどの影響を受けて、リズムマシンによるシンプルなビートと重低音シンセベースを使ったサウンドをもとに、ブラジルで独自に発展して生まれた音楽スタイルです。

バイリ・ファンキとは?

そのファンキを代表するジャンルが、リオデジャネイロのファヴェーラ(貧民街)から生まれた「ファンキ・カリオカ(Funk Carioca)」、別名「バイリ・ファンキ(Baile Funk)」。

「バイリ」というのはダンス・パーティのことで、もともとは1970年代頃からファヴェーラで行われていた「ファンクのレコードをかけて踊るパーティ」のことを「バイリ・ファンキ」と呼んでいたそう。
やがて80年代後半になると、バイリのDJたちがアメリカから当時最新のマイアミ・ベースやヒップ・ホップのレコードを持ち込んで流すようになり、それらのサウンドを元に、ファヴェーラ流に独自に仕上げた音源が作られ始め、それが音楽ジャンル名としてのバイリ・ファンキ、「ファンキ・カリオカ」(=言葉の意味的には「リオデジャネイロのファンキ」)へと発展していきました。

そんなファンキ・カリオカの基本スタイルは、『ヅン・ッチャ・ッチャ・ヅンチャッチャ…』というリズムの繰り返しに、メロディがあるようなないようなラップ風の歌唱が乗って、盛り上がるところでシンセやサンプラーのチャラいフレーズが鳴り響く、みたいな感じ。
ある意味「勢い一発!」的なシンプルなスタイルなので、それはもう大量に同じような曲が量産されており、そんなところもまたゲットー感あって面白いという、愉快な音楽です。

2005年にM.I.A.とディプロが「Bucky Done Gun」でそのサウンドを取り入れたことで、世界中にその名が知られることとなりました。
M.I.A. – ‘Bucky Done Gun’ – YouTube

ファンキのポップ展開~ファンキ・メロディ

Claudinho e Buchecha – Meu Compromisso (Clipe Oficial)

ファヴェーラ文化としてのファンキ・カリオカが発展していく一方で、歌が大好きなブラジル人ですから、当然、「歌モノ」としてのファンキも生まれています。
それが「ファンキ・メロディ(Funk Melody)」。
ポップなメロディとヴォーカルをファンキのリズムに乗せたスタイルで1990年頃に誕生し、DJマルボロ(作曲家でありプロデューサーでもあり、バイリ・ファンキの中心的人物でもある偉大な人)や、男性2人組ユニット「クラウジーニョ&ブシェーシャ(Claudinho e Buchecha)」らの活躍によって人気を集めました。

2007年頃に日本でもCDが発売されたファンキ界のアイドル女子シンガー「ペルラ(Perlla)」や、ワールドカップの時にロナウジーニョのお気に入りとして紹介された「MCレオジーニョ(MC Leozinho)」もこのジャンル。
Perla- Tremendo Vacilão (Clipe Oficial) – YouTube
Mc Leozinho – Se ela dança Eu danço – YouTube

今聴いても最高なこの2曲…!

アンダーグラウンドな「激ヤバゲットー・ミュージック」みたいに思われがち(?)なバイリ・ファンキとは違って、歌ものファンキの世界では、年間チャートにランクインするようなメジャーなヒット曲や人気歌手も多数生まれています。

というわけで、最近のファンキ・ヒットをいくつかピックアップしてみましょう。

Ludmilla

Ludmilla – Te Ensinei Certin (Clipe Oficial)(2015)

Ludmilla(ルヂミラ)は、1995年4月24日リオデジャネイロ生まれ、現在20歳の若手女性ファンキ・シンガーです。
2012年から歌っており、最初はその名も「MC Beyonce」(ビヨンセ!発音はブラジル読みで「エミ・シー・ベヨンシ」)という名前で活動していました。
その後「MC Ludmilla」に改名し、2014年にワーナーミュージックからデビューする際に「MC」が取れて「Ludmilla」のみのアーティスト名表記になりました。

Pikeno e Menor

Pikeno e Menor – Toda Toda (KondZilla – 2013)

Pikeno e Menor(ピケーノ・イ・メノール)の2013年のヒット曲。
これぞファンキ・メロディの定番スタイルといった感じです。
2010年にデビューしたサンパウロの二人組で、現在は「Amiga Parceira」がヒット中。

Pikeno e Menor – Amiga Parceira (Áudio Oficial) (2015)

Anitta

Anitta – Na Batida (Clipe Oficial)(2014)

Anitta(アニッタ)はリオ・デ・ジャネイロ出身の1993年生まれ、現在22歳の女性歌手。
2010年にインディーズデビューし、2012年にはワーナー・ミュージックと契約。
2013年のファーストアルバム『Anitta』、2014年のセカンド『Ritmo Perfeito』ともに大ヒットとなり一躍スターに。
動画はセカンドアルバム『Ritmo Perfeito』からのヒット・シングル。
メジャー感&セレブ感あるポップ・チューンですが、要所要所に濃厚なファンキ感が盛り込まれてます。

Valesca Popozuda

Valesca Popozuda – Beijinho No Ombro (Official Music Video)|2013

「ファンキ・カリオカの女王(Rainha do Funk Carioca)」の異名を持つValesca Popozuda(ヴァレスカ・ポポズーダ)のヒット曲。
まさに女王様感あふれるゴージャス・ファンキで、キャッチーな歌ものですが、ファンキ・カリオカ色も強めです。
もともとリオの女性3人組ファンキ・グループ「ガイオーラ・ダス・ポポズーダス(Gaiola das popozudas)」(←きっと多くの人が想像するバイリ・ファンキのイメージど真ん中なやつなので興味ある人は検索してみて下さい♪)のメンバーだった人で、2013年にソロ・デビューしました。
現在はクラウヂア・レイチをフィーチャした最新シングル「Sou Dessas」がヒット中。

MC Nego do Borel

NEGO DO BOREL “Não Me Deixe Sozinho” (VIDEOCLIPE OFICIAL) | 2015

MC Nego do Borel(ネゴ・ド・ボレル)はサンパウロ出身の若手ファンキ歌手。
こちらは「Funk ostentação(ファンキ・オステンタサォン)」と呼ばれるサンパウロ流のファンキのスタイル。
マリアッチ風のメキシカンな演出がユニークです。

ファンキ・オステンタサォンの意味は「見せびらかしファンキ」。リオ発の「ファンキ・カリオカ」が貧困層の文化をベースにしているのに対し、サンパウロ発のファンキはどちらかというと「金だ!酒だ!車だ!」的なリア充パリピ路線が多いようで、こんな名前になったみたいです。

Sapão

Sapão :: Vou Desafiar Você (Clipe Oficial)(2014)

Sapão(サパォン/MC Sapão)は1979年生まれのリオデジャネイロのファンキ歌手。
2001年にファーストアルバムを発売しているようです。
2014年に発表した「Vou Desafiar Você」が現在ヒットしています。

MC Tati Zaqui

Tati Zaqui – Água na Boca (Clipe Oficial)(2015)

MC Tati Zaqui(タチ・ザキ)はサンパウロ出身の女の子ファンキ・シンガー。
声もビジュアルも可愛いです。
この手のギャル系ファンキ歌手も続々登場しているようなので気になるところ。

まとめ

ブラジルでは近年ますますファンキの人気は拡大しており、「ホレジーニョ(Rolezinho)」と呼ばれる、路上やショッピングセンターの駐車場でゲリラ的に開催されるファンキのパーティ(というか集会というか…もはや暴動?)が流行り過ぎて、サンパウロで「禁止法案」が出された、なんて話題も。
そんな部分も含めて、目が離せない面白ジャンルです。

海辺にもぴったりですので、夏のお供にファンキ! 是非どうぞ♪

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