【コルシカ島】イ・ムヴリニの新作『Pianetta』

Pianetta ©AGFB I Muvrini

フランスのコルシカ島のグループ I Muvrini(イ・ムヴリニ)のニューアルバム『Pianetta』が12月9日にリリースされました。

ナポレオンの出生地としても知られるコルシカ島は、イタリア半島の西側の地中海に浮かぶ島で、多声合唱(ポリフォニー)を特徴とした独特の音楽の文化を持っています。
イ・ムヴリニはそのコルシカ島の音楽を代表するグループ。

「ポリフォニー」とは簡単に言うと「複数のそれぞれ独立したメロディーで構成された音楽」のこと(現代の大衆音楽の定番スタイルである「主旋律と伴奏」という関係ではなく「旋律と旋律と旋律…」で出来上がってるみたいなイメージ)で、クラシックなどでも使われる用語です。
コルシカ島では大昔から島民同士がお互いに声を掛け合う習慣があり、そこに聖歌や賛美歌などの影響が加わってコルシカ島独特のポリフォニーが作られていったとのこと。

参考:コルシカ島の民族音楽 – Wikipedia

ただし、実際にはコルシカ島の音楽には多声合唱にかぎらず独唱や即興詩吟などもあり、伴奏を使わない「声」による表現であることが共通する特徴だそう。コルシカ島ではそれらを総称して「声」を意味する「ウォーヂェ(Voce)」と呼ぶそうですが、80年代のワールドミュージックブームの際にわかりやすいジャンル名として「ポリフォニー・コルス(コルシカ島のポリフォニー)」が世界に広まってしまったということのようです。

参考:Sh-H0137.pdf コルシカ島(フランス)における伝統音楽とその再生 – 長谷川秀樹

アラン・ベルナルディーニとジャン・フランソワ・ベルナルディーニの兄弟を中心として1970年代に結成されたイ・ムヴリニは、コルシカ語による伝統的な男声合唱をベースに、電子楽器など現代的なサウンドも取り入れながら独自の音楽性を確立していきました。フランス本土でも大人気で、様々なミュージシャンとも共演を果たしています。1998年に発表されたスティングとのコラボレーションによる「Terre d’Oru (Fields of Gold)」は日本でも話題になりました。

今回の新作『Pianetta』は「子供のための歌」がコンセプトだそうで、子供たちの合唱が入ってたり、メロディーもシンプルで優しいものが多く、親しみやすい内容になっています。ジャケットも可愛いし。
コルシカ初心者の方も是非どうぞ。

AppleMusic、Spotifyにて配信されています。

Pianetta by I Muvrini on Spotify

コルシカ島は地理的に地中海貿易の拠点として、太古の昔から覇権をめぐる争いの舞台となり、様々な外来民族によって支配されてきた歴史があります。
先住民については詳しくは未だわかっていないとのことですが、遺跡などにはケルト人の文化と共通する特徴が見られるとのこと。
中世には(現イタリアの)ジェノヴァによって支配されており、その後18世紀よりフランス領となっています。

音楽をきっかけにこうした歴史を学んでみるのも有意義で面白いかと思います。
コルシカ島の音楽を集めたコンピレーションなども多数出ていますので、気になってきた方は是非探して聴いてみてください。

ちなみにコルシカ(Corsica)はイタリア語での名称で、フランス語ではコルス(Corse)島。
コルシカ語では「Corsica」で「コルシガ」と発音するそうです。

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