【特集】パラリンピック2016 開会式で使われたブラジル音楽まとめ【リオパラ】

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rio2016

CAPTURED FROM:Rio 2016 Paralympic Games | Opening Ceremony | LIVE – YouTube

オリンピックに続いてパラリンピックが開幕!
2016年9月7日18時(日本時間8日6時)より、リオのマラカナンスタジアムにてリオパラリンピックの開会式が行われました。

感動いっぱいの内容でしたが、さすがはブラジル、やはり今回も音楽満載!
というわけで、開会式で流れた曲、歌われた歌をご紹介していきます。

リオ五輪関連の記事はこちらにまとめています。あわせてご覧下さい。
リオ五輪 – MUMUMAG

リオに伝言!

オープニングは映像から。

国際パラリンピック委員会(IPC)の会長・フィリップ・クレイヴン氏が車いすに乗って出かける準備をしている時に微かに聞こえるメロディは、オリンピックの開会式でも使われていた Marcos Valle(マルコス・ヴァーリ)の「Samba de Verão(サマー・サンバ)」。

家を飛び出して、街を抜け、海を越えて、リオに辿り着くまでのバックにずっと流れていたのは、Novos Baianos(ノーヴォス・バイアーノス)の「Bilhete Prá Didi(ヂヂに伝言)」という曲です。

Novos Baianos – Um Bilhete pra Didi (Acabou Chorare) [Brazilian Music]

Novos Baianos(ノーヴォス・バイアーノス)は1969年に結成されたバンドで、「新しいバイーア人たち」を意味するグループ名のとおり、バイーアを拠点に、当時の若者世代ならではの感性と勢いで、サンバやフレーヴォなど様々なブラジルの音楽と英米のロックの要素を融合させ、新たな音楽性を生み出したバンドです。ヒッピー的なピースでフラワーでフリーダムな雰囲気も魅力。
Bilhete Prá Didi」は1972年のセカンドアルバム『Acabou Chorare』に収録されています。

Novos BaianosをApple Musicで聴く

現在はシンガーソングライターとして活躍するモライス・モレイラや、超絶速弾きギタリストのペペウ・ゴメス、爆弾娘的ワイルド姉ちゃんベイビー・コンスエロ、後にカエターノ・ヴェローゾのバンドでも活動するベーシストのダヂなど、メンバーそれぞれも個性豊かな才人揃い。
初期の若さあふれるサンバ・ロックから、後期のお祭りバンド的フレーヴォまで、どのアルバムも楽しく聴けます。

輪になってサンバ!

迫力の車いすジャンプに続いて、「サンバの輪」=Roda de Samba(ホーダ・ヂ・サンバ)の始まりです。
Roda de Sambaはサンバの楽しみ方の一つで、みんなで輪になってジャムセッション的に次々と曲を演奏して歌います。

このメンバーが豪華!名門サンバチーム「ポルテーラ」の重鎮 Monarco(モナルコ)、ショーロ~ジャズの名バンドリン奏者 Hamilton de Holanda(アミルトン・ヂ・オランダ)、エリス・レジーナの娘で人気歌手の Maria Rita(マリア・ヒタ)、現代サンバシーンを代表する若手実力派 Diogo Nogueira(ヂオゴ・ノゲイラ)、パゴーヂの人気グループ「Revelação」の元メンバーで歌手の Xande de Pilares(シャンヂ・ヂ・ピラレス)、セウ・ジョルジのバックバンドでも活動しているソングライター兼カヴァキーニョ奏者 Pretinho da Serrinha(プレチーニョ・ダ・セヒーニャ)、その甥で現在9歳の天才少年パーカッショニスト Pedrinho da Serrinha(ペドリーニョ・ダ・セヒーニャ)、現在18歳の盲目の天才サンビスタ Gabrielzinho do Irajá(ガブリエルジーニョ・ド・イラジャー)、凄い!

歌っていたのは、Zé Keti(ゼー・ケチ)の「A Voz do Morro」、「Goodbye Sadness」のタイトルで世界的にも有名な「Tristeza」、サッカースタジアムで歌われる定番曲「O Campeão (Domingo Eu Vou ao Maracanã)」など、サンバの名曲たちを次々とメドレーで。
最後はペドリーニョくんの見事なパンデイロ(ブラジルのタンバリン)・ソロで締め!

A Voz do Morro(裏山の声)」は歌い出しの「Eu Sou o Samba(俺がサンバだ)」のタイトルでも知られています。

Anitta, Diogo Nogueira, Zélia Duncan e Jorge Aragão cantam “A Voz do Morro” ©multishow
Diogo Nogueiraと、オリンピックの開会式に登場していたAnitta(アニッタ)らの共演でどうぞ。

Tristeza(トリステーザ)」は、作曲家 Haroldo LoboとNiltinhoの共作による1965年の作品。

ELIS REGINA – TRISTEZA – YouTube

※公式動画が見つからなかったのでリンク先でご覧下さい。
Maria Ritaの母でありブラジルを代表する大歌手Elis Regina(エリス・レジーナ)のバージョンです。

O Campeão(チャンピオン)」はサンバ歌手 Neguinho da Beija Flor(ネギーニョ・ダ・ベイジャ・フロール)の1979年の作品。

Neguinho da Beija Flor | O Campeão(Domingo Eu Vou ao Maracanã) (É Festa Brasil)
サブタイトルはその名も「Domingo Eu Vou ao Maracanã(日曜日にはマラカナンに行く)」というブラジルらしいサッカー賛歌です。

Bom Dia~美しき日の始まり

Daniel Dias選手による水泳のパフォーマンスを挟んで、色とりどりの風船と巨大な人形が登場。スタジアム中央へと歩いていくと、そこはリオのビーチの風景に。

流れていたのはCartola(カルトーラ)の名曲「Corra E Olhe O Céu(空を見上げて)」。

Teresa Cristina – Corra e Olhe o Céu
悲しみもあれば喜びもある/走りだせ/空を見上げれば/そこには太陽が/良い一日の始まりだ…みたいな希望の歌です。10月にカエターノ・ヴェローゾとともに来日が決定しているTeresa Cristina(テレーザ・クリスチーナ)のライブ映像でどうぞ。

Cartola(カルトーラ)はリオの名門サンバチーム「Mangueira(マンゲイラ)」の創設者の一人で、多くの名曲を残した偉大な作曲家でサンバ歌手です。
CartolaをApple Musicで聴く

カラフルなビーチパラソルを持ったダンサーたちが登場し、踊ったり、スポーツを楽しんだり、リオの日常の風景が描かれます。
バックで流れていたのは、Antonio Carlos Jobim(アントニオ・カルロス・ジョビン)の名曲「Wave」と、オリンピック開会式のオープニングでも使われた Gilberto Gil(ジルベルト・ジル)の「Aquele Abraço(アケリ・アブラソ)」のメロディ。

Tom Jobim – Ao Vivo em Montreal – Wave ©Biscoit Fino
特にブラジル音楽好きな人でなくてもきっとカフェやホテルのロビーで一度は耳にしたことがあるであろう大定番。ジョビン自身の1986年のライブ映像でどうぞ。(※Tom JobimはAntonio Carlos Jobimの愛称で同一人物です)
「Aquele Abraço」についての詳細は開会式の記事をご覧ください。
【特集】リオ五輪開会式で使われた曲と出演アーティスト総まとめ

さらに打楽器部隊が登場し、音楽はファンキ・カリオカに。スタジアム全体が踊り出します。

ブラジル・パンデイロに乗って国旗掲揚

日が暮れて暗くなったスタジアムに、ブラジル国旗を持った女性(障害者支援の活動をしているRosane Miccolisさん)が登場。国旗掲揚台へと歩いていきます。
バックで流れていたのは、サンバの作曲家 Assis Valente(アシス・ヴァレンチ)の名曲「Brasil Pandeiro(ブラジル・パンデイロ)」。

1940年代に当時大スターだったカルメン・ミランダのために作曲されるも、彼女はこの曲を発表することはなく、そのまま幻になっていた曲で、30年後にジョアン・ジルベルトが地元の後輩たちであるNovos Baianos(ノーヴォス・バイアーノス)にこの曲を教え、彼らによってレコーディングされたものが世に知られることになったという逸話があります。

2005年のカエターノ・ヴェローゾの来日公演のMCでカエターノがそのエピソードを語ってから「Brasil Pandeiro」をカバーする、という一幕もありました。
Novos Baianos – Brasil Pandeiro (Brasil Encanta – Bossa Nova) [Áudio Oficial]

こちらもNovos Baianosの1972年のアルバム『Acabou Chorare(アカボウ・ショラーレ)』に収録されています。

ピアノによるブラジル国歌の演奏

ブラジル国歌は、右手に障害を持つピアニストの João Carlos Martins(ジョアン・カルロス・マルチンス)による演奏。
バッハの名演で知られており、指揮者としても活動しているブラジルを代表するクラシック演奏家の一人です。

Padre Marcelo Rossi – Hino Nacional Brasileiro ft. João Carlos Martins
2012年の映像。Padre Marcelo Rossiはサンパウロの司祭で歌も歌う人。

選手入場はブラジリアンDJパーティー!

選手入場のBGMはDJの João Brasil(ジョアン・ブラジル)が担当。ブラジル各地の様々なリズムが登場し、スタジアムはパーティー状態。現地で大音量で聴きたいですねこれ。

O Homen Falou!ブラジル選手団入場は当然サンバ

選手入場の一番最後、開催国ブラジルの選手団が登場すると、流れだすのはやっぱりサンバ!Gonzaguinha(ゴンザギーニャ)の名曲「O Homem Falou(男は言った)」です。

O Homem falou – Gonzaguinha – YouTube

悲しみは置いて、みんなで新しい時代へと進んでいこう、という団結の歌。1985年のアルバム『Olho De Lince (Trabalho De Parto)』に収録されています。
Maria Rita – O Homem Falou
Maria Rita(マリア・ヒタ)のバージョンも名唱。2007年のアルバム『Samba Meu』に収録されています。

Gonzaguinha(ゴンザギーニャ)は1945年リオデジャネイロ生まれのシンガーソングライター。偉大なフォホー音楽家 Luiz Gonzaga(ルイス・ゴンザーガ)の息子で、「Luiz Gonzaga Jr.(ルイス・ゴンザーガ・ジュニオール)」の名義でも知られています。メッセージ性の強い作風で人々の心をつかみ、明るく力強いサンバから哀愁漂う泣きメロまで、数多くの名曲を残しました。1991年に45歳の若さで交通事故により亡くなっています。

GonzaguinhaをApple Musicで聴く

配信されてる作品が少ない…ので初めての方はとりあえずベスト盤『A Arte de Gonzaguinha』からどうぞ。

目に見える世界の向こうに

大会会長や大統領らのスピーチを挟んで、スタジアムが暗闇に包まれると、視覚障害者の世界をコンセプトにしたダンサーたちのパフォーマンスがスタート。
スポットライトに照らされて踊る2人の盲目のダンサーOscarさんとRenataさん。曲は Heitor Villa-Lobos(エイトール・ヴィラ=ロボス)の「Bachianas Brasileiras No.4(ブラジル風バッハ第4番)」。

Heitor Villa-Lobos – Bachianas Brasileiras No.4 – YouTube

エイトール・ヴィラ=ロボスはブラジルを代表するクラシックの作曲家。

続いてレオナルド・ダ・ヴィンチの人体図をモチーフにしたようなパフォーマンス。
バックに流れていたのは、Uakti(ウアクチ)の「Minimal 13」。

Uakti – Blindness – Minimal 13 – YouTube

「Minimal 13」はフェルナンド・メイレリス監督による2008年の映画『ブラインドネス(Blindness)』のサウンドトラックに収録された曲で、この映画も「失明」をテーマにした作品。

Uakti(ウアクチ)はミナスジェライス州を拠点に様々な創作楽器などを用いて独特の素晴らしい音楽を創りだしていたグループ。1970年代から40年に渡り活動していましたが、2015年に解散を発表しています。

UaktiをApple Musicで聴く

1992年の『Mapa』は特におすすめ。

エイミー・パーディとロボットのダンス

ピクトグラムを用いたパフォーマンスに続いて、足に障害のある子どもたちのためのサッカーを支援する団体「Bota do Mundo」のメンバーたちがパラリンピック旗を持って登場。パラリンピック賛歌が流れ、選手宣誓が行われます。

そして再び暗くなったスタジアムに、両足義足の女優でモデルやスノーボーダーとしても活動するアメリカ人の Amy Purdy(エイミー・パーディ)さんが登場。「テクノロジーとの調和」をコンセプトにしたパフォーマンスで、ロボットと一緒にサンバを踊ります。これは本当に素晴らしかった!

踊っていた曲は Edu Lobo(エドゥ・ロボ)作の「Borandá(ボランダ)」。Sergio Mendes(セルジオ・メンデス)によるインストゥルメンタル・バージョンです。

Sergio Mendes / Boranda – YouTube

1966年のアルバム『The Great Arrival』に収録。

Edu Lobo(エドゥ・ロボ)は1960年代から活動しているリオデジャネイロ出身のシンガーソングライター。ボサノヴァ的なスタイルをベースにしながらも、北東部の土着的なリズムやジャズの要素を取り入れた独特の作風で、多くの名曲を発表しています。

エドゥ・ロボをApple Musicで聴く

おすすめは1966年の『Edu e Bethânia』。女性歌手マリア・ベターニア(カエターノ・ヴェローゾの妹)との共演盤です。

フィナーレはセウ・ジョルジ!

聖火リレーの映像(Twitterのつぶやきがオーバーレイで重なる!)から、スタジアムへとリレーは繋がり、ついに聖火は聖火台へ(まさか階段がスロープに変形するとは!)。
いよいよクライマックスを迎えた会場に、サンバが流れだします。

登場したのは粋な白スーツ姿の Seu Jorge(セウ・ジョルジ)!

歌ったのは Gonzaguinha(ゴンザギーニャ)の「E Vamos à Luta(さあ頑張ろう)」と、Roberto Carlos(ホベルト・カルロス)の「É Preciso Saber Viver(生きるということを知らなくちゃ)」の2曲。

E vamos à luta – Gonzaguinha (1980) – YouTube

困難に立ち向かう若者たちの姿を歌ったGonzaguinhaの名曲。「E Vamos à Luta」は直訳すると「さあ戦おう」ですが、「さあ頑張ろう」とか「よっしゃいくぞ」的な意味の表現だそう。1980年のアルバム『De Volta Ao Começo』に収録。
Roberto Carlos – É Preciso Saber Viver

É Preciso Saber Viver」はRoberto CarlosとErasmo Carlosの共作で、1974年のアルバム『Roberto Carlos』に収録されています。
人生いいこともあれば悪いこともある、道を選ぶのは君だよ、みたいな歌です。

1990年代にはロック・バンドのTitãs(チタンス)によるカバーバージョンもヒットしています。
Titãs – É Preciso Saber Viver – YouTube

Roberto Carlos(ホベルト・カルロス)は1960年代から活躍するブラジルの国民的人気歌手。もともとはロックンロール寄りのシンガーソングライターですが、70年代以降、ロマンティックなバラード歌手として大成功。作曲家としても素晴らしい才能で、多くのアーティストたちが彼の作品を歌っています。

ロベルト・カルロスをApple Musicで聴く

基本は甘々なポップ・ボーカルものですが、「É Preciso Saber Viver」の入った『Roberto Carlos 1974』、カエターノ・ヴェローゾもカバーした爽やかな名曲「Debaixo Dos Caracóis Dos Seus Cabelos」を収録した1971年の『Detalhes』など、チェックしてみて下さい。カエターノとの共演盤もあります。

Seu Jorge(セウ・ジョルジ)はリオデジャネイロ出身のシンガーソングライター。1995年にサンバ・ファンク・バンドFarofa Cariocaのメンバーとしてデビューし、2000年以降はソロ歌手として活動しています。長身の存在感のあるルックスで、俳優としても活躍中。
最新アルバムは2015年3月リリースの『Músicas para Churrasco II(シュハスコのための音楽2)』。

セウ・ジョルジをApple Musicで聴く

見逃した方もアーカイブでどうぞ

以上駆け足でお届けしました。
動画を通して見ながら聞き取れたもの、ソースが確認できたものをまとめています。次々といろんな曲が披露された部分など、聴き逃しやチェック漏れがあるかもしれません。
気づいた方はツイッターなどで教えていただけるとありがたいです。

パラリンピックの開会式の映像は、ライブストリーミングのアーカイブがYouTubeの公式チャンネルにて公開されていますので、見逃した方は是非!(英語のナレーションが入ります)

Rio 2016 Paralympic Games | Opening Ceremony | LIVE ©Paralympic Games
※セレモニー本編は13分~あたりから。

大会本編も素晴らしきものになりますように!

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